3月某日、横須賀美術館に行ってきた。
もうすぐジブリ展が開催されるというタイミングで、私たちが見に行った展覧会は『日本の巨大ロボット群像』。
ジブリ展と巨大ロボット展は開催時期が被る期間があったのだが、美術館側がジブリによる混雑をかなり警戒していて、「巨大ロボット展だけを見たいという方は絶対ジブリ展が始まる前に来た方がいい!早めに来てください!混雑でやばいことになる前に!!!」と訴えかけていた。いやほんと、落ち着いた時期に行けてよかった。
展示室は写真撮影OKなところも多く、みんなあちこちで写真を撮っていた。私たちは写真を撮らない代わりに音声ガイドをレンタルして楽しんだ。ナレーションは銀河万丈と水樹奈々、この企画にぴったりの豪華声優による解説が気分をあげてくれる。
ロボットアニメの始祖・鉄人28号の話から始まり(何なら鉄腕アトムまで遡っていた)、マジンガーZからのガンダム、昔懐かしいロボットたちを世代順に紹介しながらアニメ史を語る。とにかく大きな展示物が多く、まるでアニメに入りこんでロボットと共に生きる世界の住民になった気分。フィクションとリアリティの間、ロボットとその世界観にはまり込んだ人々の想いに触れる企画展であった。
展覧会も良かったが、横須賀美術館自体がすばらしい。まず、海沿いに建つ美術館という立地が優勝。願っても得難い最高のロケーションだ。美術館側も自然との調和を意識しており、開放的な空間作りで景観の魅力を伝えている。
美術館をひと周りして少し疲れたら、併設されたカフェで休憩。
ランチやディナーの価格帯はちょっとリッチだが、おやつにケーキセットを食べるくらいなら気軽に利用できる。
海を眺めながら味わうケーキと紅茶……お嬢様になった気分~。
ひと息ついたら、海辺を歩いて観音崎公園方面へ。
砂浜というより岩場が目立つこのあたりの海岸は、磯遊びにぴったり。
ほどよい岩場が潮だまりになっていて、少し散策するだけでたくさんの生き物に出会える。
タモ網を片手にがっつり磯遊びを楽しんでいた親子は、「もうウミウシ逃がしていいい~?」と会話していた。えっ、ウミウシ!?見せてください!!と話しかけたいのをぐっとこらえた。
生き物は好きだけど、知識がたくさんあるわけじゃない……そんな私でも、これは!!!!と思った生き物がこちら。
ウメボシイソギンチャクは鴨川シーワールドで地元海の生き物として紹介されており、名前が面白かったので強く印象に残っていた。ガラス越しに眺めていた生き物を野生で発見、なんと感動的。水族館オタクの私が実際にその知識を生かせた稀な例である。
調べてみるとレア度はそんなに高くなく、いるところには普通にいるようだ(実際今回もめちゃくちゃ見つけた)が、一応神奈川の天然記念物に指定されている。
横須賀の海は東京や横浜よりもずっと透明度が高くてきれいに思う。遠くから見ているだけでも癒されるが、こうしてじっくり近づいてみても面白い。
海辺でひとしきり遊んだ後は、バスに乗って少し移動。
スーパー銭湯『横須賀温泉・湯楽の里(ゆらのさと)』で、海を見ながらのお風呂を楽しんだ。
ホテルとかでもない普通のスパ銭でオーシャンビューの露天風呂が付いているのはけっこう珍しいのではないか。館内のお食事処で横須賀名物のカレーも食べられて、すっかり横須賀を堪能した一日だった。
おわり。