2023年11月某日。
私たちは富山・愛知を経て京都を訪れ、まずは天橋立のすばらしい景色を楽しんだのだった。
前回記事⇒
京都で1泊した翌朝、ホテルの超お洒落な朝食ビュッフェを堪能した。
本当は朝食を終えたらすぐ嵐山に向かう予定だった。
しかし……
よくよく地図見たら、清水寺めっちゃ近くない?嵐山行く前に清水寺行っても全然良くない?むしろここで朝一の清水をキメなかったら損じゃない?
というわけで、タクシーで清水寺へ。
清水坂に着いたのは8時20分頃。
タクシー運転手さんは、
「朝早いから道が空いていて良かったですね。あと1時間遅いとすごい渋滞ですよ」
と話してくれた。よかった~。
道路は空いていたが、境内は既にけっこう人がいる。外国人ツアー客や修学旅行生といった団体客が多かった。
私も清水寺に来るのは小学校の修学旅行以来だ。校外学習気分でわくわく。
ここからは有料エリア。拝観料を納めて、いよいよ国宝の本堂へ。
きました!やってきました!清水寺!!!
音羽山の断崖に張り出した清水の舞台。紅葉の赤が映えて、語るまでもなく美しい。日本の美。教科書の具現化。
でも実際、清水の舞台にいる時にはこの写真は撮れない。どこから撮るかというと、本堂からもう少し先に進んだところに建つ『奥の院』。
写真にはモザイクをかけているので伝わらないが、向こうでも多くの人が写真を撮っている。
本堂から奥の院を撮る人と、奥の院から本堂を撮る人。互いにカメラを向け合っている状況がなんだか面白い。
今撮ってるキミたち、ネットにアップするなら私の顔面にモザイクかけておいてくれよな。
舞台からは、木々の向こうに建つ『子安塔』も見ることができる。
もちろん、子安塔からも本堂が見える。
そして清水寺といえば、有名なのは寺名の由来にもなったという『音羽の瀧(おとわのたき)』。
3本に分かれた滝はそれぞれに違ったご利益があり、ひとつ選んでお願いしながら水を飲む。
……が、小学生だった頃はみんな3本分ぜんぶ飲んでいた。せっかく来たんだし飲めるものは飲むっしょ!だった。
しかし現在は、子どもに紛れて列に並ぶのにちょっと気が引けたこともあって、ひとつも水を飲まずにスルーした。
大人になるって、悲しいことなのかな……。
いや、大人には大人のアクティビティがあるのだよ。
ということで挑戦したのは、『随求堂(ずいぐどう)』の『胎内めぐり』。
胎内めぐりとは、大随求菩薩のお腹の中に入ってお願い事をするという体験。音も光もない真っ暗なお腹の中を、手元の数珠だけを頼りに手探りで進む。途中、ぼんやりと光る『随求石』に触れて願い事をすると、仏様が叶えてくれる。
……というのが胎内めぐりの流れである。
入ってみると本当に真っ暗で驚く。文明の発達した現代社会では真の暗闇を体感する機会は少ないので、ちょっと不思議で楽しい。
進んでいくと、説明のとおり光る石が出現するので、触れながらお願い事をする。
これと同じようなもので、長野県『善光寺』の『戒壇巡り』を思い出した。
善光寺の戒壇巡りもまた暗闇の中を歩くのだが、壁のどこかに “錠前” があり、それに触れることができればご本尊との縁を結ぶことができる。
逆に言うと、錠前というアイテムを探し当てることができなければご縁はない、ということになる。
善光寺の戒壇巡りに比べると、随求堂の胎内巡りはずいぶん親切だ。キーアイテムが光ってくれているので、絶対に触ることができる。
胎内巡りを終えて外に出ると、観光客がめちゃくちゃ増えていて驚いた。
お店が立ち並ぶ清水坂も大賑わい。さすが紅葉シーズンの京都、集客力がすごい。
清水寺を楽しんだ後は、清水五条駅まで歩き、電車で嵐山を目指す。
途中、乗り換えのため祇園四条駅で下車。
すると湧いてくる好奇心。
「せっかく祇園で降りるなら、ちょっと見て回りたくない?」
本日2度目の無計画。当初予定していた嵐山に全然辿り着かない。
それほどに見どころが多いのが京都という土地なのだ。恐ろしい。旅行計画がなにもうまくいかない。
この後、ようやく本命の嵐山に到着するが、それはまた次の記事で。
つづく。